梅雨が明けました

海の日の今日、午前11時に名古屋地方気象台が「東海地方は梅雨明けしたと見られる」と発表しました。これから、暑い暑い夏が始まるのですね!

さて今回は、この時季に注意していただきたい「犬の熱中症」について、当夜間診療所の獣医師からお話しさせていただきます。




 ニュースでも熱中症情報が出る季節となりました。

「熱中症」とは日射病や熱射病の総称で、重症化すると死亡することがありますので暑い時期には特に注意しなければならない病気です。

犬は汗腺が鼻と足の裏にしかないため、人間のように汗をかき、その気化熱を利用して体温を下げることができません。

犬は主にパンティング(あえぎ呼吸)によって呼吸器系から体にたまった熱を放出しますが、人間と比べるとどうしても冷却作用は劣ってしまいます。
結果として、体の中に余分な熱がたまってしまい、熱中症にかかって最悪のケースでは、死亡してしまうこともあります。
 

≪犬が熱中症にかかる主な原因≫

屋外飼育、昼間の散歩、夏場の車内放置、肥満(熱がこもりやすくなる)、短頭犬種(鼻が短いので冷却能力が劣る)、過剰な運動、ドライヤーの熱風などが挙げられます。


≪犬が熱中症にかかったときの主な症状≫

無気力、食欲不振、呼吸が荒い、ふらふら歩いている、大量のヨダレ、脈拍・心拍数の増加、歯茎が鮮紅色、血圧低下、眼球振とう、嘔吐、下痢・血便、けいれんなどが挙げられます。


≪犬が熱中症にかかったときの応急処置≫

まず体温を下げることです。熱中症が疑われる場合は、犬を日陰などの涼しい場所に移動して水を飲ませ、体に水をかけます。
そして、扇風機やうちわなどで風を送り、気化熱によって体温を下げます。
氷水は冷たすぎて血管の収縮を引き起こすことがあるため、使わないよう注意してください。
応急処置が済んだら動物病院を受診してください。


一般的に、熱中症の症状が現れてから30~60分以内に適切な処置を施せば予後は良好であることが多いです。
しかし、症状が現れてから2~3時間以上経過し、体温が42℃以上に上昇して血便など重篤な症状が現れてしまった場合、完全な回復が見込めないこともあります。
動物病院では直腸温で39.5℃になるまで犬の体温を下げる処置を実施します。同時にショック症状を予防するための輸液や投薬を実施します。


熱中症は、飲み水を切らさない、散歩の時間をずらす、外飼いを室内飼いに切り替える、肥満にさせない等の対処により予防できる病気です。今年の夏も熱中症にならないよう注意して乗り越えましょう。





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