甘くない?チョコレートのハナシ その1

今年も名駅・栄エリアの百貨店さんでバレンタインのイベントが始まっていますね。

チョコレート大好きなので、テレビでCMを見るたびに早く買いに行きたくてウズウズしております!

さて、今回はそんなチョコレートに関する甘くないお話を獣医師から!




夜間診察していると、色々な”物”を食べてしまったという理由でペットちゃん(一番多いのは、わんちゃんです)を連れていらっしゃる方が多いと感じます。

中でもチョコレートはその代表格です。

ご存知の方も多いと思いますが、チョコレートはペットに与えてはいけないことで有名な食品の1つ。

チョコレートはヴァレンタインのこの時季でなくとも、数えきれないほどの市販商品がありますので、わんちゃんたちも遭遇する機会が多いのでしょう。

チョコレートがいけない理由としては、中に含まれている”テオブロミン”という成分そのものが有害作用を持つこと。もう一つは、人よりわんちゃんはその成分を代謝する働きが弱いことです。

中毒量を越えて摂取した場合は死に至ることもあり早急な対応が必要ですが、様々な情報により”チョコレートは危険なもの”という認識がとても強く、必要以上に過剰反応される飼い主さんも多くいらっしゃるように感じます。

チョコレートに限らず異物誤飲のケースで難しいのが、不確かな情報ばかりの中からその後の症状の変化を予測することです。「いつ」「何を」「どのくらい」食べたのか分からないことです(わんちゃんは自己申告してくれませんからね!)。

「何を」食べたかは、チョコレートの種類1つとっても様々です。よくあるチョコレート菓子などは、準チョコレートの表記でカカオ分にすると含有率は純チョコレートよりも少なくなります(準チョコレートはカカオ分15%以上・ココアバター3%以上。脂肪分は18%以上で、水分3%以下。一方、純チョコレートはカカオ分35%以上・ココアバター18%以上、水分3%以下。どちらも”じゅん”と読むので紛らわしいですね!)。

製菓用スイートチョコのように少量で危険なものもあれば、ホワイトチョコならばその150~1500分の1の危険性しかない物もあります。

「どのくらい」においても不確かな事が多く、表示してあるパッケージを見ても中毒成分のテオブロミン換算が正確にできません。
これらの状況を踏まえても、考えられる最悪設定より、早期に吐かせて回収する手段を取ることも多いですが、情報がより明確であれば、吐かせなくても良いケースもたくさんあると思います。まずは慌てずに、いつ、何を、どのくらい食べてしまったのか分かる限りの情報提供をしていただければと思います。

チョコレート中毒については2月のシーズンにまたお話しさせて頂きます。





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